事例

原因
給湯配管、風呂釜などの熱交換器に銅が使用されている場合、水と共に溶け出した銅イオンが、石けんや湯垢に含まれる脂肪酸と結合し、青色の銅石けんを生成し、浴槽の喫水線に集中したことが原因である。
銅イオン 石けん 銅石けん ナトリウムイオン
Cu2+ + 2 R-COO-Na+ → (R-COO-)2Cu2+ + 2Na+
銅イオンは銅配管の内面が新しい時に溶け出しやすく、水を長期間通すことによって酸化銅の被膜が形成されて、銅イオンは溶け出しにくくなる。酸化銅の被膜は、一般的に数週間から数か月で形成されるが、炭酸濃度の高い水では形成されにくいこともある。また、湯沸器等では、水温が高く、滞留している間に銅が水に溶けやすくなっている。
銅石けんが少量付着していても、健康に大きな影響を与えることはない。
回復方法
浴槽表面の素材が変質しているのではなく、銅せっけんが表面に固着していると考えられる。このため青い線が薄く付いている間は浴室用の液体タイプ洗剤を使いスポンジ等でこすり洗いをする。
それでも落ちない場合は、浴室用のクリームタイプのクレンザーでこすり洗いをする。ただし、浴槽のタイプによっては、クレンザーが使えないことがあるため、浴槽の取扱説明書で使える洗剤や手入れの仕方を必ず確認する。
予防策
石けんや湯垢が残らないようにこまめに手入れをすることが大切です。